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守衛所日誌
思いついたことを、思いついた日に書く不定期日誌。

2007年4月後半

4月16日(月)

離婚後300日以内に生まれた子を前夫の子と規定する民法第772条により、実の父の戸籍に入れない子供が無戸籍児となってしまう問題、いわゆる「離婚後300日問題」が最近話題になっている。

戸籍ない子の父、不安や問題訴え・離婚後300日規定で会見(日本経済新聞、2007年4月15日)

 離婚後300日以内に生まれた子を「前夫の子」とする民法の規定をめぐり、出生届を受理されず戸籍がない子どもの父親らが15日、大阪市内で記者会見し、男性の立場から不安や規定の問題点について語った。

 妻と前夫の離婚届提出が遅れ、約8カ月半後に生まれた男児の出生届が受理されていないという徳島県の男性会社員(33)は「行政サービスが受けられず、健康保険証も発行されない。子どもに万が一のことがあったら、と常に考える」と不安を隠さない。

 性道徳の問題などが議論され、特例新法の提出が見送られ「非常に残念。子どものことを1番に考えてほしい」と訴えた。〔共同〕

 長勢甚遠法務大臣は、6日に「貞操義務なり、性道徳なりという問題は考えなければならない」と言っていたが、上からの規範の強化では問題は解決しそうにないと私は思う(保守言論では「規範」という言葉が非常にポジティヴな含意で使われているように思うが、犬でもに喰わせておけ!)。

 私には「離婚後300日問題」解決の処方箋がある。子の方法で、問題は必ず解決する。それは、ズバリ「戸籍の廃止」だ。先進国には戸籍制度のない国は少なからずある。無戸籍児が正当な行政サーヴィスを受けられないことが問題になっているが、戸籍が国民に行政サーヴィスを提供するためにあると思ったら大マチガイ。戸籍は国家が個人を管理する手段に過ぎないのですぞ。深刻に悩んでおられるみなさんには不謹慎極まりない主張かもしれないが、戸籍制度がなくなれば、無戸籍で悩むこともない。


4月18日(水)

日経に火炎瓶投げた男逮捕 天皇メモ報道に警告と供述(東京新聞 2007年4月18日)

 日本経済新聞社東京本社(東京都千代田区)に昨年7月21日、火炎瓶を投げ付けたとして警視庁公安部は18日、火炎瓶処罰法違反(製造・所持)容疑で、自称右翼活動家の建設作業員平岡元秀容疑者(42)=東京都荒川区町屋=を逮捕した。

 日経新聞は事件前日の20日付朝刊で、昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀に不快感を示す発言をしていたとする富田朝彦元宮内庁長官が記したメモの存在を報道。平岡容疑者は「自分が神様とあがめる昭和天皇を靖国神社問題の世論操作に利用したものであり、警告しようと思った」と供述しているという。平岡容疑者は数年前まで右翼団体に所属していた。

 調べでは、平岡容疑者は昨年7月21日未明、ガラス製ワインボトルにガソリンを入れるなどし、日経新聞東京本社の通用口に投げ付けた疑い。発火はなく、けが人もなかった。(共同)

昭和天皇を神様と崇めるかどうかは個人の自由だから放っておくとして、「昭和天皇を靖国神社問題の世論操作に利用した」というのはあながち的外れでないような気もする。

 ところで、「発火はなく、けが人もなかった」ってところがナントモ寂しい。42歳なのにね。


4月19日(木)

『週刊文春』の電車中吊り広告で中央大学のモジュタバ・サドリア教授が、昨年度いっぱいでクビになっていたことを知った。中吊りには「イラン人教授」としか書いていないが、記事ではフランス、カナダで学んだ「S教授」とあったので間違い無い。

 解雇の理由はセクハラだとか。もったいない。『週刊文春』によると、学生と食事後に国立界隈を散歩して、暗がりで抱きついてキスしたとのこと。

 国際関係論や日本の企業文化などについて批判的に論じていた人物で、本を通じて一方的に知っているだけなのだが、共感できる議論を展開していただけに、残念。『検証 現実主義――国際関係のおとし穴』(中央大学出版部、1994年)は、モーゲンソーからポール・ケネディまで、現実主義国際関係論の理論構成を見事に腑分けしてみせている。94年の著作ゆえ、911以降の「帝国」論のインフレについてはカヴァーされていないのが残念だが、これ一冊読めばかなり知ったかぶりができる。

 ちなみに、中央大学の理事長がセブン-イレブンの会長の鈴木敏文とは知らなかった。こんなセクハラ事件がマスコミで思ったほど騒ぎにならないのは、理事長が大スポンサーのトップだから……なんてことはまさかないだろうねぇ、間違っても。

 セブン-イレブンついでに言えば、件の鈴木会長はこんなことを言っているが:

鈴木) ニーズが刻々と変わる変化の時代には、明日求められる新しいものは目に見えません。それが見えれば誰も苦労しませんよ(笑)。今日の顧客にどのような新しい商品がほしいかアンケートを取っても、今ないもの、見たことがないものについては誰も答えられないのです。

例えば、セブン―イレブンで発売した『こだわりおむすび』にしても、「200円近い高級おにぎりをコンビニで買いますか?」と事前にアンケートや消費者調査を行ったら、ほとんどの人が「ノー」と答えていたでしょう。
顧客は現物を提示されて初めて、「こんなものがほしかった」と気づきます。だからこそ、自分で仮説を立てることが非常に重要になってくるのです。
学生の「ため」ではなく学生の「立場」で
  http://www.nasic.co.jp/release/14/000188.php

そのワリには、最近セブン-イレブンでは毎月のようにおにぎり100円セールみたいなのをやってる。鈴木クン、一貫性がないゾ。みんなが「100円おにぎりが欲しかった」と気づいたのかな。


4月21日(土)

「太陽石油 Presents 柴田淳の月と太陽」(JFN 各局)がJFN フル・ネットとなり、東京(東京 FM、土曜日10時30分〜10時50分)でも聴けるようになりました。

 内容は、いわゆるFMのアーティスト番組ぽい感じ。でも、いい人そう。前半の台本を読んでいる部分をフリー・トークにすればもっとよいような気がする(本当のファンの人によると喋りはオモシロイらしい)。でも、しばじゅんの曲がかかるから良しとしよう。とにかく歌声がよい。曲は、サビだけのインパクトで勝負するタイプではなく、一曲全体でじんわり聴かせて内容を伝える感じ。

太陽石油 Presents 柴田淳の月と太陽
  http://www.tsukitotaiyo.jp/
柴田淳 オフィシャルサイト
  http://www.shibatajun.com/
ところで、今日、出かけた帰りに街を歩いていたら、区議会議員選挙の選挙運動最終日ということで、選挙カーが、アッチでもコッチでもガナリたてていた。区議会の争点なんて誰も知らないので、いきおい、名前の連呼になる。若いヤツは名前の連呼に年齢の連呼が加わる。街行く人びとは、通り過ぎるノラ犬でも見るように冷たい。

 国会で何が議論されているかは知っている。都議会もそこそこ知っている。しかし、区議会では何を議論しているのか知らない。ウチの区はオール与党の典型のようなところで、議会と区長の緊張関係もないので、ことによると何も議論していないのかもしれない。最も生活に密着した行政や議会については何も知らず、遠くなるほどに詳しくなるというのも、皮肉で情けない。以前に、区政・区議会情報を無党派の立場で収集・公開するNPOをつくろうかと思ったこともあったが、行動するところまで辿りつかずにいる。

 ある選挙カーが「お騒がせしております。あと1時間26分ご辛抱ください」と言っていたのにはウケた。


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