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守衛所日誌
思いついたことを、思いついた日に書く不定期日誌。

2007年1月後半

1月25日(木)

遠い地平線が消えて、
深々とした夜の闇に心を休める時、
遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は、
限り無い宇宙の営みを告げています。

満天の星をいただく果てしない光の海を、
豊かに流れゆく風に心を開けば、
煌く星座の物語も聞こえてくる、 夜の静寂のなんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていったはるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります。

これからのひと時。
日本航空が、あなたにお送りする
音楽の定期便。「ジェットストリーム」。
皆様の、夜間飛行のお供を致しますパイロットは、
わたくし、城達也です。

さっき、「報道ステーション」で「ジェットストリーム」特集をやっていた。城達也の「ジェットストリーム」中心の取り上げ方で、なんか「団塊の世代の青春ロマン」的なアプローチだったが、ちゃんと今も続いている番組だし、私も城達也の「ジェットストリーム」をリアル・タイムで聴いていた、おそらく最後の世代。城達也の「ジェットストリーム」はオッサンだけのものではないのです。

 城達也の「ジェットストリーム」は、FMラジオ最長寿番組として、現在の伊武雅刀に引き継がれているという話になっていたが、小野田英一、森田真奈美の「ジェットストリーム」はなかったことになってるゾ。いいのか?

 とはいえ、小野田、森田の「ジェットストリーム」は、正直言って好きになれなかった。小野田ヴァージョンは、小野田が男前声で直接リスナーに語りかけてくるようなスタイルだった。小野田とリスナーの二人だけの世界を演出するのはいいが、男の私には煩わしかった。森田ヴァージョンは、ゲストを呼んでトークをしたりして、ラジオの向こうで世界が完結している感じがして残念だった(現在 J-WAVE でやっている某番組に雰囲気が似ているかもしれない)。かといって、これらが小野田や森田のせいでないことは解る。城の「ジェットストリーム」のあとで、城のスタイルを踏襲してもリスナーには容易に受け入れられなかっただろう。時間をおいての城フォーマットへの復帰は由あることなのかもしれない。

 とはいえ、餅は餅屋、「ジェットストリーム」は城達也。小野田、森田の「ジェットストリーム」は、正直行ってピンとこなかった。伊武が「ジェットストリーム」を引き継いで、城のころのフォーマットに戻ったときは少しだけうれしかった。

 伊武の「ジェットストリーム」もかなりよいと思う。城も伊武も低音が魅力ではあるが、とはいえ、両者の語りには決定的な違いがあるという印象をもっている。伊武の低音は、城のそれに比べて、「ジェットストリーム」のような番組の声としては、少し芯が太すぎる感じがする。城の声は空気によく溶けたが、伊武の声は存在感が強くて空気に溶けにくい。また、城の声には重厚さだけではなく、他にはない軽妙さがあった。

 城の語りの軽妙さは、声の質だけでなく、語りのスタイルにも由来していたと思う。あくまでも個人的な印象だが、城は、聴き手に直接語りかけるというよりは、ラジオと聴き手のあいだにそっと言葉をリリースし、音の空間をつくり出していたような気がする。城の語りは、小野田、森田ヴァージョンのような完結した閉鎖空間ではなく、辺縁のない開放空間を構成していたと思う。そこには、音の空間に身をゆだねることから得られる独特の快適さがあった。また、伊武の芯の太い低音は、言葉の意味をリスナーの耳に直接響かせてしまう。他方、城の声は、インストルメンタルの曲の合間にあって違和感を感じさせないものだった。その意味では、城の声も音楽だった。

 何はともあれ、正直なところ「報道ステーション」の「ジェットストリーム」特集はうれしかった。ラジオ・ファンとしては、ラジオの価値が少なからぬ人びとに共有されていることが確認できたからだ。しかし、しかしだ、やっぱり映像が邪魔なのだ。テレビだから仕方ないのだが、ラジオの価値を映像を通じて伝えることには限界があるというか、土台無理なのだ。同じ内容がラジオで紹介されていたら、もっと違った味があったと思う。

 今となっては、城達也の「ジェットストリーム」を録音しておけばよかったと思う。ラジオは基本的に再放送はやらないが、せめて城達也氏のご命日2月25日だけでもいいので、城達也の「ジェット・ストリーム」の再放送をやって頂けないものかなぁ。

夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは、
遠ざかるにつれ、
次第に星のまたたきと区別がつかなくなります。

お送りしておりますこの音楽が、
美しくあなたの夢に溶け込んでいきますように。

日本航空がお送りした音楽の定期便、
「ジェットストリーム」
夜間飛行のお供をいたしましたパイロットは
わたくし、城達也でした。

JET STREAM
  http://www.tfm.co.jp/jetstream/
「団塊世代に贈る(5)ジェットストリームと深夜放送の時代」 tv asahi|テレビ朝日 報道ステーション
  http://www.tv-asahi.co.jp/dap/program/hst/sp_backnumber.php?n_id=519&p=2
YouTube - Jet Stream(「報道ステーション」の特集の動画)
  http://youtube.com/watch?v=n2wPMkSES7s

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1月28日(日)

役人と政治家しかヤったことのないヤツはどうしようもない:

「女性は子ども産む機械」柳沢厚労相、少子化巡り発言(朝日新聞 2007年01月28日)

 柳沢厚生労働相が27日、松江市で開かれた自民県議の後援会の集会で、女性を子どもを産む機械や装置に例えた発言をしていたことが分かった。

 集会に出席した複数の関係者によると、柳沢厚労相は年金や福祉、医療の展望について約30分間講演。その中で少子化問題についてふれた際、「機械と言って申し訳ないけど」「機械と言ってごめんなさいね」などの言葉を入れながら、「15〜50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと述べたという。

 会場では発言について異論はなく、主催者からの訂正などもなかったという。

「会場では発言について異論はなく、主催者からの訂正などもなかった」とのことだが、自民県議の後援会の集会であれば当然だろう。森喜朗の「神の国」発言のときも、「子どもをたくさんつくった女性に国がご苦労様でしたと言って面倒を見るのが本来の福祉です。ところが、子どもを一人もつくらない女性が、税金で面倒見なさいというのは、本当におかしいですよ」と言ったときもその場ではスルーだったし。
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