9月17日(日)
テレビ朝日の「サンデープロジェクト」に次期総裁候補の安倍晋三官房長官、麻生太郎外務大臣、谷垣禎一財務大臣が出演していた。
自民党員でない私は、さほど興味がないので、聴き流していた。世論もマスコミも「どうせ安倍だろう」という空気に満ちているが、3候補自身も例外でない感じがした。トークがゆるすぎてつまらない。
やや聞きモノだったのは、田原総一朗が「村山談話」を突きつけながら、安倍に歴史認識について食い下がったところぐらいかな(結構しつこかったなぁ)。結局、安倍はのらりくらりとかわし続けた……と私の目には見えたが、どうせ安倍ファン・クラブの皆さんには「田原総一朗の下衆な攻撃を巧みにかわしたディベイト術」とか見えるんだろう。だとしたらやってられないよ、ホント。
勝つと判っている戦いは、結局ああいう戦い方になるのだなぁ。つまらない。右翼(とくにネット右翼の坊やたち)は、田原のほうを「国賊だ」「偏向報道だ」と言い立てるのだろうけれども、「私は「村山談話」など認めない」と明言しない安倍のチキンっぷりを叱責するのがスジじゃぁないのかな。
それにしても、谷垣のパンチ力の弱さときたら……。半透明に見える。お気の毒。
9月19日(火)
安倍晋三官房長官は18日、日本テレビの番組で、北朝鮮による日本人拉致問題について「全体的に考える、担当する人がいてもいい」と述べ、拉致問題担当の大臣や首相補佐官を置く可能性を示唆した。また、「年内に日中、日韓首脳会談を実現するか」との質問に、「相手があることですから」と前置きしながらも丸印のついた札を挙げ、首脳会談再開に改めて意欲を示した。
○総裁選の街頭演説 from 秋葉原(OHMYNEWS ONAIR)
※ちなみに、「OhmyNews」のサイトは初めて見たが、動画のレポートもアップされているとは、なかなかやるなぁ。
イラクで囚われた日本人は見捨て、北朝鮮に囚われた日本人なら助ける――判断の軸が「日本人の命」以外のものであることが透けて見える。二枚舌は嫌いだ。
安倍氏、拉致担当相設置も(産経新聞、2006年9月19日)
3候補そろって行った9月9日の秋葉原での街頭演説で、安倍晋三はこんな事を言っていた:
日本に生まれて日本で育った人たちを護るべきは、皆さん、皆さんの国なんです。その責任を果たさないようでは、私は政治家の資格はない、そう考えています。横田めぐみさんたちを私は決して見捨てません。日本人の命、ひとりの日本人の命といえども、決しておろそかにしてはならない、この思いで、私はこの拉致問題、全面的な解決に取り組んでまいります。
それでは、彼は「政治家として」、「日本に生まれて日本で育った人」である幸田生証氏がイラクで殺されたと何をしただろうか。「ひとりの日本人の命といえども、決しておろそかにしてはならない」という信条に悖らない行動をしただろうか。安倍個人がどのような発言をしたか記憶にないが、インターネット上のやりとりによって着火された世論に同調して、政府は「自己責任論」を振りかざした。確かに、幸田氏の軽率さに関しては異論はないが、「日本に生まれて日本で育った人たちを護る」責任を果さない政府に対して、安倍が何がしかの批判を投げかけただろうか?
http://visual.ohmynews.com/ohmytv/live/japan_live_onair.asp?tl_code=198