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守衛所日誌
思いついたことを、思いついた日に書く不定期日誌。

2005年12月後半

12月17日(土)

秋葉原の電気街の端にある万世橋近くに交通博物館がある。

 度たび近くを通ることはあったが、鉄道に興味がないので入ったことはなかった。たまたま上野駅の構内で目に留まったポスターに「交通博物館閉館」の文字を見つけた。噂には聴いていたので別にどうということもなかったが、ポスターの別の箇所に目が釘付けになった――「旧万世橋駅遺構公開」。

 鉄道に興味はないが、旧万世橋駅には興味がある。中央線をお茶の水駅から少し東に進んだあたりに煉瓦造りの高架があるが、現在交通博物館に隣接するあたりに、かつての万世橋駅の駅舎が遺っている。これが2006年1月11日(水)〜4月28日(金)の期間に公開されるのだ。

 旧万世橋駅に興味をもちはじめたのは、秋庭俊『帝都東京・隠された地下網の秘密 』(洋泉社、2002年)を読んでからのこと。たまたま神田の三省堂で平積みになっていたのを手に取ってからだ。amazon の紹介文による概要は次の通り:

ふと地図から浮んだ疑惑が疑惑を呼び、達した結論は「戦前に既に東京には地下網が完備していた」というものだった…。可能な限りの資料と徹底した地図の読み込みを駆使し、国民に伏せられてきた東京の地下網の真実に迫る試み。
東京の地下鉄はどこかオカシイと思っていた。東京在住の人間なら少なからず理解できる感情だと思う。乗り換えと称しつつ客を永ながと歩かせる連絡通路や、階段を降りたかと思えばすぐに始まる上りの階段、なぜが始終水が流れる音のする駅、どうして京王線が都営地下鉄に乗り入れできるのか、などの謎にこの本は答えている。

 残念なのは、この本の内容は抜群に面白いのだが、文章がビックリするほど下手なところ、特に論理構成がなっていない(ミステリアスな文体のつもりかもしれない)。しかし、それを差し引いても充分に読み応えがある。このシリーズは全部買ってしまった。陰謀好きな私としては、この本を読んでからというもの、地下鉄に乗る際は窓からじ〜っと目を凝らし、トンネルの闇の中に陰謀の尻尾を探すのが常となった。

 この本に出てくる旧万世橋駅――その駅についに足を踏み入れるチャンスを得るわけだ。陰謀の尻尾はつかめるか?

○秋庭俊ホームページ
  http://homepage3.nifty.com/norikoakiba/

○交通博物館 TRANSPORTATION MUSEUM JAPAN
  http://www.kouhaku.or.jp/
○交通博物館 : 閉館のお知らせ
  http://www.kouhaku.or.jp/heikan.htm
○さよなら交通博物館(フライヤー)
  http://www.kouhaku.or.jp/images/heikan-event02.jpg

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12月18日(日)

ふだん見ない『遠くへ行きたい』を見たら、テーマ曲を森山良子が歌っていた。アレンジが非常にジャズィーで、ドラムは列車が走る音を思わせる。それに、イントロが日曜の早朝の旅番組らしからぬカッコよさだ。クレジットを見たらアレンジは納浩一だった。

 『遠くへ行きたい』を製作しているテレビマンユニオンのサイトもついでに見てみたら、意外な発見が。テレビマンユニオンは、番組製作会社だとばかり思っていたら、『世界ふしぎ発見!』の常連ミステリーハンターの竹内海南江女史などを擁するタレント事務所でもあるそうだ。


12月19日(月)

テレビ東京で、『刑事ナッシュ・ブリッジス』をやっていた。ファースト・シーズンからずっと放送されて来たが、最終シーズン(第6シーズン)は、なぜか地上波未放送だった。それが、今年になって『刑事ナッシュ・ブリッジス FINAL』として放送された。

 実は私は、『刑事ナッシュ・ブリッジス』ファンで、ほぼ全話見ている。日本における本放送は、これまでは週に一回、日曜日のお昼頃にやっていたので、非常に見やすかった。しかし、最終シーズンは、どういうわけか、平日(月〜木)のお昼(「ランチチャンネル」という番組枠だそうです)に毎日放送した。見にくい時間。お昼に食堂などのテレビでテレビ東京を流しているところはまずない。当然、録画して夜に見るというハメになる。しかし、連日の放送ということで、見ても見ても追い付かない。

 しかも、最終シーズンはちゃんとバイリンガル放送なので英語でもう1回見る。CM カット・モードで録画しているが、最低、正味約 40 〜 50 分×2の時間がかかる。放送が終わって2週間ぐらいたった今日、やっと見終わった。英語で聴けるようになって、ナッシュ(Don Johnson)の父のニック(James Gammon)が異常にモテる理由がやっと判った。吹き替えではおじいちゃん然とした声だが、英語で聴くと声がシブい。また、ジョー(Cheech Marin)の義理の母ウーラは、日本語吹き替えではジョーや彼の妻のインガー(Caroline Lagerfelt)と英語で会話しているかのように上手く演出してあるが、英語の音声で聴くと、ウーラは英語がカタコトで、インガーとはスウェーデン語で話していることが判った。

 『刑事ナッシュ・ブリッジス』の面白さはポリフォニックな脚本になっているところだと思う。つまり、事件を軸にした刑事ドラマとしてのストーリーと同時に、ナッシュと父のニックや娘のキャシディー(Jodi Lyn O'Keefe)との関係やジョーの家庭の問題などのホーム・ドラマとしてのストーリー、そして恋愛ドラマとしてのストーリーが同時進行するところである。それに、番組序盤で、事件の犯行現場が音楽のヴィデオ・クリップ風に描かれるところもカッコいい。

 ただ、今回の最終シーズンは、面白くなかった訳ではないが、これまでに比べるとイマイチだった。というより、もうひとシーズンぐらい同じキャストでやったら、もう少し面白かったかも知れない。つまり、新キャストのキャラクターの少し掘り下げが足りない感じだった。アントワン (Cress Williams:ER にレジー役で出ていたとか。見たことがないので私には解りません)は、持病や、家庭の事情や、ハーヴェイ(Jeff Perry:個人的には一番好きなキャラクター)とのコンビがどうなるかなど、いくつもドラマが生まれる要素をもっていたのに残念。それに、レイチェル(Wendy Moniz)がナッシュを裏切る動機が、視聴者を共感させる程には充分に描き切れていない感じがした。それに「天使のオッサン」(Tracey Walter:英語では単に "Angel" と呼ばれている)の出番が少なかったのが残念。気に入ってたのに。

 疑問なのは、ナッシュは、自分が仕切る SIU (特捜班:Special Investigating Unit か何かの略)内で、昨シーズンまでは警部(英語では "Captain")であるにもかかわらず部下の刑事たちと机を並べていたが、今シーズンでは上の階にデスクを移動していた。なぜだろう? 撮影のスケジュール調整の都合か何かで、他のキャストと一緒の撮影が困難だったからだろうか? 上の階に移動したせいで、ナッシュと刑事たちの掛け合いが少なくなったのも、今シーズンがイマイチだった原因か?

 ちなみに、SIU は、シリーズ初期にサン・フランシスコの大地震でオフィスから退去せざるを得なくなり、以降は船をオフィス代わりに使っている、という設定。 ナッシュの "Captain" という称号は、の SIU の "Captain" と船の "Captain" を同時に指す掛け言葉になっている。

 何はともあれ、ナッシュとジョーの掛け合いは、相変わらず健在だった。個人的には、新登場のべティー・アン(Suzanne Krull:自分自身とナッシュを宇宙人だと思い込み、共に地球征服か何かを果たそうとしている)は結構いいキャラクターだった。今シーズンいちばんのお気に入りかも。

 そう言えば、以前にナッシュの愛銃のカスタム・モデル・ガンが出ていたなぁ。今頃になって、チョット欲しくなって来た。

○Nash Bridges Online(公式サイト。既に閉鎖されているが下の URL から閲覧可能)
  http://web.archive.org/web/20021123172225/http://www.nashbridges.com/
○NASH BRIDGES: The Original Unofficial NASH BRIDGES Web Site(ファン・サイト)
  http://www.lowtek.com/nash/
○刑事ナッシュ・ブリッジス(テレビ東京)
  http://www.tv-tokyo.co.jp/nash/
○AXN|刑事ナッシュ・ブリッジス(AXN)
  http://www.axn.co.jp/nashbridges/

12月25日(日)

今年のクリスマスは、ブリックとカハワで過ごした。

 ブリックもカハワも、イスラムの料理に属する(と言っていいのか?)。クリスマスにイスラム教徒の料理を食べるという思いつきを、我ながら気に入っている。

 ブリックというのは、「チュニジア風揚げ春巻き」などと言われているらしいが、見たままのブリックを私なりに表現すれば「チュニジア風半熟卵入り巨大餃子」という感じ。以前、後輩からつくり方を聞き出してから、度たびつくっている。ブリックの具体的なイメージを得たい方は、下のサイトをご参照下さい。

○ブリック倶楽部
  http://malkas.s60.xrea.com/
要は肉をスパイシーに炒めてつくった具と卵を皮で包んで揚げる料理。私が後輩からもらったレシピではマトンや牛肉を使うことになっていたが、マトンは近所のスーパーにはないし、牛肉は狂牛病騒ぎいらい忌避してきた。よって豚肉を使用。ムスリム的ではないが仕方ない。そもそも、以前から具に豆板醤やチリ・ビーンズを入れたりしてアレンジしていたので気にするようなことでもない。これも、ある意味、トランスポジションの思想の実践だ。

 カハワは、「アラビアン・コーヒー」と言ったほうが通りが良いかもしれない。『MASTER キートン』のいちエピソードで、キートンが、バグダッドのカフェで「カフワ ラウ サマハタ(コーヒーをください)。」というシーンがあるが(勝鹿北星/浦沢直樹『MASTER キートン』第8集(小学館、1991年)P.38)、その「カフワ」と同じものだと思う。ブリックのつくり方は知っていたが、カハワの掩れ方は知らなかったので、ネットで検索。下のサイトを発見。便利な世の中。

○Chai (チャイ)、Kahawa (カハワ)
  http://www.etsumi.jp/watoto/recipe/faili/chai.htm
チャイは時どき飲んでいたが、カハワもよい。 クセになる。掩れ方を憶えてよかった。

 クリスマスにイスラム料理――恒例にしても良さそうだ。

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