9月16日(金)
小泉純一郎の「郵政民営化、賛成か反対か」という選挙戦略に対して麻木久仁子が某ラジオ番組で次のようなことを言っていた:
もうちょっと複雑さに耐えていろいろ話はできないもんなのかしらねぇ。
正直言って、麻木久仁子は好きでも嫌いでもないが、この言葉は私の持論とほぼ同じだ。「賛成か反対か」「右か左か」など、ちょっとしたきっかけで論調の針がどちらかに振り切れる傾向が強くなっている。対立軸を提示することが決定的に重要なことは認めるが、それは両陣営が言葉を尽くして議論を深めるための前提としての話だ。対立のなかでキレずに粘ることが重要なのだ。
9月19日(月)
人間、追い込まれると何をするか判りません。それにしても「今から泳ぐ」って……。
この間、県警や海上保安庁などが延べ約170人以上で捜していたが、男性は自宅に戻り普段通りの生活をしていた。警察に油を絞られた男性は「捜索のことは知らなかった。迷惑をお掛けしました」と平謝りだったという。
本渡署の調べでは、男性は本渡市内の自営業者(66)。17日午後9時前、友人と酒を飲んだ帰りに漁港近くで1人で飲酒。路上で寝てしまったため、通報で駆け付けた警官が住所などを聞いたところ、突然走りだし、頭から海に飛び込み泳ぎ出した。
不明の男性、2日ぶり発見 酔って職質、海に飛び込む(熊本日々新聞 2005年9月19日)
熊本県五和町の漁港で17日夜、酔って路上に寝て警官に職務質問された際、「今から泳ぐ」と叫び海に飛び込んだまま不明になっていた男性が、19日昼すぎ、15キロ以上離れた同県本渡市内で2日ぶりに発見された。
9月21日(水)
NHK は新生するのか?
ここ数日、「地上波もデジタルになる訳だから、いっそ NHK もスクランブルをかけてくれ」という論をよく耳にするが、この発想は前者の「番組購入のための対価」説の考え方と言える。「受信料」という言葉自体は、同じく「番組購入のための対価」の考え方を表現しているが、「NHKはみなさんの受信料で運営しています」というお馴染みのフレイズは、後者の「運営資金の拠出」説で合理的に説明できる。
以上を読んで「どちらも同じだろう」とお考えの向きもあると思う。私も、結局どちらも同じだと思う。しかし、NHK が公共放送であることを考えると、私には「運営資金の拠出」説のほうがしっくりくる。そのほうが、受信者の意思によって存在が支えられるメディアという感じがする。わざわざ「国営放送」ではなく「公共放送」と呼ぶからには、NHK は政府から独立し、情報を欲する受信者に利する受信者みんなの放送局(ちょっと青いか?)であるべきだ。
【NHKの決意】
視聴者の声を受け止め、公共放送としての使命を果たしていきたい。何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、放送の自主自律を貫く。開かれたNHKを目指し、視聴者の意見や提案を聞き、番組や業務に的確に反映させる。信頼と支持を取り戻すことで、厳しい財政を立て直す。
【視聴者第一主義】
迅速で的確な災害・緊急報道、暮らしに役立つ福祉番組、深く時代を見つめるドキュメンタリーなど、NHKだからできる放送サービスを充実する。優れた制作能力を持つ外部の人材など、新しい発想や多様な視点を取り入れた開かれた番組づくりに取り組む。放送のデジタル化を進め、利便性の高い新しい公共放送サービスを開発する。
【組織のスリム化】
部局の統廃合、管理部門の縮小などを進め、番組制作力の強化に重点を置いた組織改革を推進。2006年度から3年間で全職員の1割、約1200人を削減。設備投資計画や教育テレビの24時間終夜放送などを見直す。関連団体も柔軟で活力ある体制を検討する。
【受信料の公平負担】
単身赴任者や学生の料金割引制の新設など、より公平で合理的な受信料体系を検討。口座振り替えでの支払いや長期支払いの視聴者に優遇施策を実施する。受信料未払いや未契約の者を対象に、受信料制度の意義やNHKの改革を説明。努力を重ねてもなお支払わない場合は、民事手続きによる受信料の支払い督促の活用などについて検討し公平負担に全力で取り組む。
新生プランへ2日目も意見2300件=NHK(時事通信 2005年9月21日)
最近、「受信料」とは一体なんだろうかと考える。つまり、番組購入のための対価なのか、視聴者による運営資金の拠出なのか、ということである。
NHKは21日、20日発表した受信料不払いへの法的措置を盛り込んだ「新生プラン」に対する21日分の意見が、夕方までに電話、電子メール、ファクスで計2356件寄せられたと明らかにした。前日からの累計は4629件となった。
新生プラン案要旨 NHK(徳島新聞 2005年09月16日)
NHKの「新生プラン」案要旨は次の通り。
9月23日(金)
今日の「タモリ倶楽部」は、雑誌『酒とつまみ』の編集部の3人(大竹編集長、渡辺編集員、斉藤カメラマン)を迎えて、タモリ、なぎら健壱、井筒和幸という、私好みの布陣だった。
雑誌『酒とつまみ』は、神田の三省堂書店で見かけて以来、創刊号から毎号読んでいる──ただし、立ち読みだけれども。現時点の最新号には、二木啓孝(『日刊ゲンダイ』ニュース編集部長)の連載「よかにせどん」が載っていなかった。選挙で忙しかったのだろうか?
今回の放送出は、なにをおいても井筒監督が最高だった。人に迷惑をかけずに酔っ払っている人はオモシロい。井筒監督がオチ担当だった。ホッピーは何で割るとおいしいかという『酒とつまみ』の企画の再現で、井筒監督はにごり酒のホッピー割り(にごりホッピー)を絶賛していた。機会があれば、私も飲んでみたい(でも、私は家では飲まない主義なのです。けっこう飲むほうなので、クセになるのが怖いのです)。そういえば、かつて何かの番組で、シネカノンの社長で映画『パッチギ』のプロデューサーの李氏とよく行くという円山町の焼肉屋で、マッコリのビール割りをお気に入りとして紹介していた。『パッチギ』の撮影中にロケ先の在日の人たちに教えてもらった、とか言っていたような。にごりホッピーと感じが似ている。