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守衛所日誌
思いついたことを、思いついた日に書く不定期日誌。

2005年6月後半

6月18日(土)

昨日スーパーでマンゴーを安売りしていたので、ふたつ買ってみた。ひとつでよかったのだが、何となくふたつカゴに入れていた。ひとつは昨日のうちにすぐ食べたが、もうひとつは残した。凍らせたらウマいんじゃないかと思い、冷凍庫に入れておいた。

 今日になって冷凍庫から取り出すと、いい具合に凍っていた。じゃがいもの皮剥きの刃を当てると、心地よい手応えでキレイに皮が剥ける。ただ、凍っているので、中心部の硬い部分(たぶん種)を避けて果肉を包丁で削ぎ取るのがナカナカうまくいかない。

 とはいえ、果肉は予想通りのシャーベット状になっており、非常に美味しい。ふたつ買っておいて正解だった。今度からは最初に果肉を切り分けて冷凍するのがよさそうだ。急に暑くなってきた今日この頃、この日記をご覧の方、是非お試しください。


6月19日(日)

今日の午前中にテレビでシーラカンスの番組をやると宣伝していた。詳しいことは聞き逃したが、かろうじて番組開始時刻は聞き取れた。しかし、出かける予定の時間が迫っていたので新聞で確認せず、とりあえず、そこから1時間半ぐらいの時間帯で録画予約してスグに出かけた。家に帰って見てみると、例の番組は、何てことはない、「報道特集」だった。1時間で充分だったのだ。ただ、「報道特集」でシーラカンスというのも珍しい取り合わせだ。

 このあいだの相対性理論といい、今回のシーラカンスといい、何となくサイエンスっぽい話題に心がトキメいてしまう。アフリカのコモロというところで撮影された、シーラカンスが群泳する映像にはゾクゾクした。今回撮影しようと試みられたインドネシアのシーラカンスは、DNA 解析の結果、アフリカのものとは別の種類のものと考えられているそうだ。

 今回の調査のきっかけとなったインドネシアのシーラカンスは、アメリカ人の学者が夫婦でショッピングしている最中に、魚市場で売られているところを最初に発見されたらしい。写真撮影後、あっとう間に切り身にされて売られてしまったとのこと。シーラカンスには背骨がないそうなので、マグロなどとは異なり、たぶんあまり早く泳げないはずだ。それぞれの鰭を別個に動かしてゆっくり泳いでいたのはそのためだろう。ということは、それ程筋肉が発達していないはずなので、さほど美味しくはないはずだ。

 結局、シーラカンスの撮影には失敗していた。まぁ、成功していれば前もってニュースになっているはずなので、予想された結果ではあった。とはいえ、こういう特集はやっぱり嫌いじゃない。


6月30日(日)

ローレンス・レッシグが眉をひそめそうな事態が進行している。

有害ネットに規制策 政府 遮断ソフトも普及 自殺サイトに情報開示基準 (朝日新聞 2005年6月30日朝刊)
政府は29日、爆発物の作り方や自殺に関する情報掲載などインターネット上の違法・有害情報に対する当面の対策を決めた。山口県立光高校で起きた爆発物事件などを受けたもので、警察が接続業者(プロバイダー)に発信者情報の提供を求めるための基準作りや、有害サイトを遮断する「フィルタリングソフト」の普及などが柱とされている。

 この対策は、内閣官房や総務省、文部科学省、警察庁など関係省庁の検討結果を取りまとめたもので、(1)接続業者による自主規制の支援(2)フィルタリングソフトの普及促進(3)情報モラル教育の充実(4)相談窓口の充実――の4項目で構成されている。

 犯罪として認定するのが難しい「自殺サイト」への対応策では、警察がサイト作成者の情報の提供を接続業者に求める手続きを検討する。警察から提供を求められた業者が情報を開示する際の判断基準もまとめる。

 「自殺サイト」について、警察は自殺の幇助(ほうじょ)や教唆に当たるなど明らかに違法と見られるサイトを除き、業者に情報開示を強制できないとしている。今回の対策は、自殺を防止するため、サイトに書き込みをした人の情報開示を求めることも想定。政府は総務省や経済産業省を中心に、業者の自主規制のあり方を検討する研究会を7月中にも立ち上げる。

 ただ、対策をまとめた文書には「表現の自由や通信の秘密などに配慮」との文言が盛り込まれており、政府関係者は「あくまでも自主規制を促すのが目的。法的な規制は中長期的な課題で、強制措置は当面考えていない」としている。

 フィルタリングソフトは、一定の基準に基づいて違法・有害と認められるウェブサイトを排除するソフト。経産省と総務省が所管する財団法人のサイトから無料でダウンロードでき、小中学校では9割以上普及しているが、一般家庭の利用率は1%しかない。

 政府は利用拡大に努めるとともに、このソフトを作っている業者に対して、有害サイトの範囲を「自殺」「爆発物」「偽札」などにも広げるよう働きかける方針だ。

 「「自殺サイト」について、警察は自殺の幇助(ほうじょ)や教唆に当たるなど明らかに違法と見られるサイトを除き、業者に情報開示を強制できないとしている。今回の対策は、自殺を防止するため、サイトに書き込みをした人の情報開示を求めることも想定。」とあるが、このとき情報開示を拒否できる業者がどのくらいいるだろうか? もし拒否する業者が出てきた時は、自由を指向するインターネット・ユーザーは積極的に援護しなければならないだろう。とはいえ、実際に起こりそうな事態は、営業上の不利益を恐れて業者のほうから喜んで警察に擦り寄り、必ずしも違法に該らないサイト利用の記録の積極的な開示が慣例化することだ。

 インターネットのリベラルな夢は、実は幻想に過ぎない気がする。ちょっとした契機が、公と私とのあいだの権力バランスを変化させる。インターネット・ユーザーは、今まで通り相対的な自由を満喫し続けられるかもしれないし、あるいは、中国のような検閲下のもとで限られた愉しみを享受することに甘んじることになるかもしれない。インターネットに限らず、規制する公権力の介入を制限するような規制を、むしろ、市民のほうから国家に課すことが必要だ。憲法改正の論議において、公権力と市民との関係のこのような改革が動議されないのが残念だ。

 いつのまにかレッシグの新しい翻訳(『FREE CULTURE』)が出ている。訳は今回も山形浩生で出版元は翔泳社だ。翔泳社はこのテの本の紹介に力を入れているようだ。今後も頑張って下さい。ちなみに、レッシグの訳者の山形が小谷真理氏とテクスチュアル・ハラスメント」問題で裁判までしているというのが信じられない。ちなみに、山形と小谷の「テクスチュアル・ハラスメント」問題とは、山形が「小谷真理は巽孝之のペンネームである」と断定したことなどに端を発する問題のこと。私は、あるシンポジウムで小谷氏の講演を聴いたことがあるが(2005年2月19日の日記を参照)、ふたりは別人なのは間違いない。

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